身体に嬉しいレシピ①
夏バテ対策にも!
~京都の伝統の味「ちりめん山椒」をおうちで作ろう~
はじめに
ちりめん山椒は、京都を代表する郷土料理のひとつです。ちりめんじゃこと香り高い実山椒の絶妙な組み合わせは、一度食べると忘れられない上品な味わいを生み出すだけでなく、優れた健康効果も期待できる理想的な料理です。
実山椒は初夏の風物詩として親しまれ、その清涼感のある香りと独特のしびれるような辛味が、京都の蒸し暑い夏を乗り切る知恵として受け継がれてきました。また、山椒には古くから薬効があるとされ、食欲増進や消化促進の効果が重宝されていたことも、この料理が愛され続ける理由のひとつです。
材料選びのポイント
ちりめんじゃこの選び方
良質なちりめんじゃこは、透明感があり、身がふっくらとしています。塩分が強すぎず、魚臭さのないものを選びましょう。
実山椒について
実山椒は6月頃の短い期間にしか出回らない貴重な食材です。緑色が鮮やかで、粒が揃っているものを選びます。冷凍保存も可能なので、旬の時期にまとめて購入して保存しておくのもおすすめです。
実山椒には「サンショオール」という成分が含まれており、これが独特のしびれるような辛味の正体です。この成分には血行促進や新陳代謝を高める効果があるとされています。
ちりめん山椒の栄養価と優れた健康効果
ちりめんじゃこの栄養効果
ちりめんじゃこは小魚を丸ごと食べるため、カルシウムが豊富に含まれています。また、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などのオメガ3脂肪酸も摂取できるため、脳の健康維持や血液サラサラ効果が期待できます。
実山椒の薬効成分と健康メリット
実山椒には多くの健康効果が期待できる成分が含まれています:
消化促進・食欲増進効果
山椒に含まれる精油成分が胃腸の働きを活性化し、消化液の分泌を促進します。食欲がない時や胃もたれの解消にも効果的です。
血行促進・冷え性改善
サンショオールという辛味成分が血管を拡張させ、血行を促進します。これにより冷え性の改善や新陳代謝の向上が期待できます。
抗菌・防腐効果
山椒には天然の抗菌作用があり、食中毒の予防にも役立ちます。これは保存食としても重宝される理由のひとつです。
リラックス効果
山椒の香り成分には神経を鎮静化する作用があり、ストレス軽減やリラックス効果ももたらすといわれています。
抗酸化作用
山椒に含まれるフラボノイドなどの成分には抗酸化作用があり、アンチエイジング効果も期待できます。
【ちりめん山椒の作り方】
材料(作りやすい分量)
ちりめんじゃこ:80g
実山椒:50g
酒:100ml
薄口醤油:大さじ1.5
みりん:大さじ1
砂糖:大さじ1/2
赤唐辛子:1本
作り方
【実山椒の下処理】
1. 実山椒を洗う
実山椒を枝付きのまま水でよく洗います。
2. 茹でる
沸騰したお湯で枝付きのまま5〜6分、中火で茹でます。指でつぶせる程度の柔らかさになるまで茹でましょう。
3. アク抜き
茹であがったら冷水で冷やし、1〜2時間程度水にさらしてアク抜きをします。途中で味見をして、えぐみが抜けているかチェックしてください。
4. 実を取る
ざるに上げて水気を切り、枝を取り除きます。実についている軸は取らなくても構いませんが、より上品な仕上がりをお好みの場合は粒だけにしてください。 ※多めに茹でた場合は、ペーパータオルで水気をしっかりと拭き取り、保存袋に入れて冷凍保存できます。
【調理】
5. 調味料を煮立てる
鍋に酒、薄口醤油、みりん、砂糖をすべて合わせて火にかけます。沸騰したら少し火を弱めます。
6. ちりめんじゃこを加える
ちりめんじゃこと種を抜いた赤唐辛子を加え、2分ほど煮ます。
7. 実山椒を加えて仕上げる
実山椒を加え、同じ火加減で鍋底にほとんど煮汁がなくなるまで5〜6分煮詰めて完成です。
保存方法と日持ち
ちりめん山椒は冷蔵庫で約1週間保存可能です。清潔な密閉容器に入れて保存しましょう。作りたての香りを長く楽しむため、食べる分だけ小分けして冷凍保存することも可能です。冷凍の場合は約1ヶ月間保存でき、自然解凍または電子レンジで軽く温めてからお召し上がりください。
まとめ
ちりめん山椒は、京都の伝統的な味わいを家庭で手軽に楽しめるだけでなく、優れた健康効果も期待できる魅力的な料理です。シンプルな材料でありながら、その奥深い味わいと豊富な栄養素が食卓を豊かに彩ってくれるでしょう。
季節の実山椒が手に入ったときは、ぜひこのレシピに挑戦してみてください。美味しさはもちろん、山椒の血行促進効果やちりめんじゃこのカルシウムなど、身体に嬉しい栄養も同時に摂取できます。作り置きもできるため、忙しい日々の健康管理の強い味方になってくれるはずです。伝統の味を現代の食卓に取り入れて、美味しく健康的な食生活を始めてみませんか。