おうちで簡単エクササイズ②
心と体を整える呼吸法
~「吐く息」と「おへそ」がカギ~
日々のストレスや疲れで心が休まらない。そんなとき、私たちの身近にある最も強力なツールが「呼吸」です。しかし、ただ呼吸をするだけでは十分ではありません。今回は、古来伝わる呼吸法の中でも特に効果的な「吐く息重視」と「おへそを温める」テクニックをご紹介します。
なぜ「吸う」より「吐く」が大切なのか
多くの人は呼吸というと「深く吸うこと」に意識を向けがちです。しかし、呼吸の力は「吐く息」にあると考えられています。
<吐く息が持つ3つの効果>
1. リラックス効果の向上
吐く息は副交感神経を刺激し、心身のリラックス状態を促進するとされています。ゆっくりと長く息を吐くことで、心拍数が下がり、血圧も安定する傾向があります。
2. 体内のリフレッシュ
深くゆっくりと息を吐くことで、体内の空気がしっかりと入れ替わり、新鮮な酸素を取り込みやすくなると考えられています。これにより、体全体がリフレッシュされる感覚を得られる可能性があります。
3. 集中力の向上
吐く息に意識を集中することで、雑念が払われ、今この瞬間への集中力が高まる傾向があります。瞑想状態に近い効果が期待できるでしょう。
おへそを温めるイメージの効果について
東洋医学では、へそ周辺は「丹田(たんでん)」と呼ばれ、生命エネルギーの中心とされています。おへそ周辺を意識することで自然と腹式呼吸になりやすくなり、横隔膜を大きく動かして、より多くの酸素を取り込むことができるとされています。また、おへそ周辺の温かさを意識することで内臓の血流が改善され、消化機能や免疫機能の向上が期待できる可能性があります。さらに、丹田への意識は自律神経のバランスを整える効果があることが研究で示されています。
<実践!おへそ温め呼吸法 >
基本の姿勢
椅子に座るか、床にあぐらをかいて座ります。背筋を軽く伸ばし、肩の力を抜きます。両手をおへその下に軽く当てましょう。
呼吸のリズム
1. 自然に息を吸います(3〜4秒)
2. おへその奥が温かくなるイメージを持ちながら、ゆっくりと息を吐きます(6〜8秒)
3. 吐く息に全ての意識を向け、お腹が優しく凹んでいくのを感じます
意識のポイント
吸う息は自然に任せ、吐く息に90%の意識を向ける
おへその奥に小さな太陽があるイメージで、吐くたびに温かさが広がる
息を吐くときは、口を軽く開けて「ふー」と音を立てても効果的
<日常での活用シーン >
朝の目覚めに
起床後、布団の中で3分間行うことで、一日の始まりを穏やかに迎えられます。
仕事の合間に
デスクワークの疲れを感じたら、椅子に座ったまま2〜3分実践してみてください。集中力が回復します。
就寝前のリラックスタイム
ベッドに横になりながら行うことで、深い眠りへと導かれます。
ストレスを感じたとき
人間関係や仕事のプレッシャーを感じたら、その場でできる心の整理法として活用できます。
<まとめ >
呼吸は私たちが生まれてから一生続ける、最も基本的な生命活動です。その呼吸を意識的に行うことで、心と体の健康を向上させることが期待できます。
「吐く息」に意識を集中し、「おへそを温める」イメージを持つことで、日常生活の質の向上が期待できるでしょう。今この瞬間から始められる、シンプルな健康法として、ぜひ実践してみてください。